歯科ワンポイント
「従業員の協調性を育てるには」
チーフコンサルタント・中小企業診断士 村上貴洋
仕事はできるが、協調性が・・・
「○○さんは・・・仕事は一通りできるんですよ。でも院長の私や他の同僚との協調性が無いんですよね。どうしたらいいでしょう?」
現場でよくご相談いただく内容です。歯科医院の従業員教育の傾向として、作業手順やスキルについては充実している一方、組織の一員としての意識を持つことへの教育が疎かになっていることが多いです。
どの視点からの発言が多いかに注目する
アプローチの一つとしてお薦めするのは「視点を増やす会話」です。まず従業員の発言の中に視点がいくつあるのかに注目してください。
具体的には以下の3つの視点です。
① 自分の視点 ② 相手の視点 ③ 全体の視点
協調性が未熟な従業員ほど①の発言が多いですし、頼りになる人ほど②や③の視点からの発言が中心になるはずです。つまり意識の視野に差があるのです。
会話を通じて相手の視点と全体の視点を育てる
言動に①が多い従業員は自分中心のいわば“点”だけの視野の状態です。そこを起点に②で“奥行き”を、③で“俯瞰”を視野に加える会話をします。
①の発言が多い従業員には、②や③の視点を持つ体験させるような話をしてください。例えば、②なら「チーフがそのような反応になったのはなぜだと思う?」、「○○さんが患者さんだったらどう感じるだろう?」のように、③なら「それは歯科助手の問題でも歯科衛生士の問題でもなく、医院全体の問題じゃないのかな?」のような切り口です。
自分で考えて判断するプロセス体験そのものを大事にする
アプローチで大事なことは本人が考えて回答するまでのプロセスを体験してもらうことです。せっかちに院長の考えをすぐ出したりしてはいけません。直接的な否定も我慢です。否定ではなく代わりに考えを深掘りするように他の視点からの見方や問い掛けを追加しましょう。
改善するのは協調性だけではない
複数の視点から考える習慣が身に付くにしたがって行動は変化し、協調性は改善します。さらに状況把握や予測の精度が向上するためパフォーマンス全体も向上します。それを実現した従業員はもはや医院の中核スタッフになっているはずです。そのような従業員の成長を目の当たりにすることも「経営者の醍醐味」ではないでしょうか。
歯科医院経営 労務のお話
勤務医の給与はどれくらいが適正なのか?
コンサルティング事業部 チーフコンサルタント 岩田 義明
よく聞かれる妥当な給与水準
勤務医を雇用する場合、どのくらいの給与が妥当なのかという相談が来ます。ニュースレターでもお伝えしている通り、求人サイトJOBメドレーでの1都3県の歯科医師求人の平均給与は60万くらいになります。もし、勤務医を増やした場合に、採算が取れるのかどうかは気になるところでしょう。
一般的な歩合率は20~25%
一般的に勤務医を歩合給にする場合、売上の20%~25%が一般的です。歯科治療に対する収支は「材料・外注費20%、人件費30~35%(Drの給与+アシスタント給与)、固定費35%(家賃、設備、水道光熱費、広告費など)、利益10~15%という構成になっているためです。
月給60万の場合250~300万の売上が必要
そこで勤務医がどの程度売上を上げてくれれば採算がとれるのかを考えてみます。Drの歩合率を20%とした場合、月給60万の場合は、60万÷20%=300万の売上が必要となり、歩合率を25%とした場合、60万÷25%=250万が必要となります。
仮に保険診療だけで300万の売上を上げるためには、1回当たりの保険点数を600点と想定した場合500人の患者さんを診療しなければなりません。20日勤務すると考えた場合、1日25名の患者さんを診察することになります。250万の場合は月に417人、1日当たり21人の患者さんを診察してくれれば採算は十分に取れます。自費を上げられる方であれば、保険15万点、自費150万円での300万でも構いません。この場合は、1日12~5人診察すれば大丈夫かもしれません。
月給の4~5倍の売上を見込めるかどうか判断
勤務医を雇用するのであれば、雇用した場合に月給の4~5倍の売上を上げられかどうか確認しましょう。患者さんを振り分けられるか、自費を上げられる環境にあるという受け入れ側問題と、それだけの患者さんを対応できるだけ技術と経験があるのかという応募者側の問題を確認してください。
歯科衛生士コラム
あるDHのつぶやき 「患者さんの気持ち」
フリーランス歯科衛生士 佐藤厚子
患者さんはクリニックの雰囲気をなんとなく感じているようです。
医療人側から見て、よい雰囲気と思っていても、患者さんから見た場合はどうでしょう?せっかく清潔に心がけていても、たった一人の行動が台無しにしてしまうことがあります。
気づいたらごみを拾う。ただしグローブをしたままで。そのクローブをしたままで器具に触れているのを見た患者さんはどう思うでしょうか。目を皿のようにして、ほかにおかしなところがないか、探すようなります。そんな中、洗い場からスタッフ同士の話声が聞こえたりしたら、患者さんは聞く耳を立てて、話の内容を聞くことでしょう。ちょっとした気の緩みが、大きな代償を生むことがある事を理解して、日々の診療に従事して欲しいと思います。患者さんは見ています。
若手挑戦企画
新宿レポート「宝くじ当選金に税金はかからないの?」
コンサルティング事業部 鈴木 初弥
今年も残すところ数カ月になりました。今年の年末ジャンボ宝くじを友人と協力して50枚ほど購入予定の鈴木ことすずでございます。宝くじの当選金は非課税なので「まるまる全部自分の懐に入るぞ!」と思って毎年友人と購入しておりましたが実はそこには落とし穴があるのです。今回は年末に向けて宝くじの税金豆知識をお届けしたいと思います。
基本的に宝くじの当選金は非課税
宝くじの当選金には税金はかかりません。何故、宝くじに税金はかからないのでしょうか?宝くじの売上金の収益金約40%が発売元の都道府県及び全指定都市へ納められる仕組みとなっております。つまり、公共性が高いという理由で宝くじは課税対象とならないのです。収益金の一部が都道府県等に納められるという点では、購入時に税金を納められているという捉え方もできますね。
宝くじの当選金に贈与税がかる!?
しかし、当選金は全て非課税ではないのです。宝くじを家族や友人と共同購入し当選金を分配するとその分配したお金に贈与税がかかってしまいます。皆様の中にも何人かで宝くじを買い、当選したら当選金はとりあえず代表者の口座に入れて、そこから分配という買い方を考えている方もいらっしゃるかと思います。実際2人で宝くじを買って2億当選した場合どれほどの贈与税がかかってしまうのでしょうか。一人の受け取る金額が1億と考える5,000万円ほどの税金かかってしまいます。
宝くじの当選金に贈与税がかからない方法
それではどうしたら良いのでしょうか?宝くじを他の人と共同購入した場合、一人が代表者となって当選金を受け取らず、購入者全員で当選金を受け取りに行く必要がございます。その際に各自の当選金受け取り分を銀行が発行する「宝くじ当選証明書」の中に記載してもらいます。そのようにすれば分配金は贈与ではなく、個人の取得した非課税の財産になるので贈与税はかかりません。銀行の「宝くじ当選証明書」がございますので税務署からのご指摘もなく安心して当選金満額を手に入れることができます。これで来年は億万長者だと喜んでいるすずでございます。
参考文献:https://www.moneypost.jp/591910