歯科経営 News Letter【3号】

歯科ワンポイント

危機は変化のチャンス

チーフコンサルタント・中小企業診断士 村上貴洋

6月に入って西新宿にも人が徐々に戻ってきました。ランチ時には人気の飲食店に行列も見られます。飲食業では食事のテイクアウトやデリバリーがすっかり浸透しました。一方でに店舗型は大変です。消費者側のマインドが今までの「何となく来店」から「わざわざ来店」と変化しつつあり、集客ハードルが上がっているからです。“わざわざ” のために「スタッフとの人間的なつながり」や「五感への直接刺激」、「心地よい店内空間」などを実現するための動きが活発です。

歯科医院も今回の新型コロナによる非常事態宣言を受けて変化を迫られたことと思います。その変化も診療体制の見直し、従業員の労務環境を整備するといった難しい、何か自分の医院作りの根本部分を見直すような機会だったのではないでしょうか。そのような機会を各医院が持ったことは、不謹慎かもしれませんが歯科全体の経営面にとってはポジティブなことだったかもしれません。なぜなら課題の多くが「重要だけど緊急性が高くないもの」で、通常時なら後回しにされがちなものだからです。

組織マネジメントから見れば、危機の時期は全員が同じ方向で新しいことや改革を進められるチャンスです。通常時は組織内で問題認識のばらつきが大きいために抵抗勢力が生まれて障害になりますが、危機は問題認識を統一しやすいのでスムーズに進められるからです。(一方、通常時に組織内の認識を共有するためにビジョンや目標、ミーティングがあります)

今の時期に医院の経営計画を立て、改革やビジョン実現のため組織内の認識を共有することをおすすめします。例えば一般業界で起きていることはいずれ歯科業界にも波及します。患者に「わざわざ来院」してもらえる歯科医院を作るために何に取り組むか?を話し合うのはいかがでしょうか。

歯科衛生士コラム

フリーランス歯科衛生士 佐藤厚子

「決定事項を守らないのは・・・」

先生を含め全体で決めたことを、ある日突然先生が違うことをする・・・。スタッフは戸惑います。 例えばユニット本体につくワークテーブルは可動式なので、「デュラシールを置くとこぼれてしまうので、置かないようにしよう」と決めました。しかし、ある時先生がワークテーブルに置いて使っていたので「先生、デュラシールは」と言うと、「使い方を熟知しているので大丈夫」という。
たとえ先生でも、全員で決めたことは守ってもらいたいです。そうでないと、決めた意味がありません。もし、変えたいと思うのでしたら、ミーティングなどで話し合って決めていただきたいです。歯科医院はチームワークが大切ですから。

若手挑戦企画

コンサルティング事業部 鈴木初弥

新宿レポート

悩んだら本に聞いてみよう!

Think clearly
最新の学術研究から導いた、
よりよい人生を送るための思考法
著者 ロルフ・ドベリ
出版社 サンマーク出版
ISBN 9784763137241
価格 1,980円(税込)

最近リモート飲み会に出没中の鈴木でございます。酒場が懐かしいですね…。酒場と言えば酔っ払いの集団、絡んでくるなどマイナスイメージを持たれる方もいるかと思いますが、それだけではないのが酒場の醍醐味!人生の先輩方からアドバイスをいただける場所でもあるのです。そこで今回はとある企業のオーナーさんから薦めていただいた悩める新人に読んでもらいたい本を紹介していきたいと思います。

「Think Clearly」という本をご存じでしょうか。この本は私が社会人になり悩みを抱えていたときに、酒場の知り合いの方から薦めていただきました。「Think Clearly」はとある成功者の体験とかではなく、心理学、哲学等の学術や投資家、起業家の思想をひもといて導いた人生の考え方をまとめた本です。

特に「失敗の原因」を突き止めるたび、人生は上向く」という一説に私は心を動かされました。私も他者から注意を受けることがありますが、その時は忙しかったなど言い訳が先行してしまい自分の失敗を突き止めることを怠ってしまっていました。しかし、受けた注意を踏まえたうえで本を読むことで、自分を客観視することができ改善する糸口を見つけることができました。

もし、新人の教育に悩まれているのでしたら、是非一度この本を新人に読んでもらってはいかがでしょうか。新人自身が自分の行動や考え方を変え改善してくれるきっかけになるかと思います。

歯科医院経営 労務のお話

チーフコンサルタント 岩田義明

「労働時間の適性把握、出来ていますか?」

終礼が終わったあと、なんとなくスタッフと話をしているうちに30分経ってしまった、朝早めの出社するスタッフが始業時間前に診療の準備をしている、この時間は、労働時間に含まれるのでしょうか?

厚生労働省の定義によると、『労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる』とのことです。

『直接の指示がなくても、従業員が自主的に業務をしていることを医院側が把握している場合は労働時間になる』というのは盲点です。朝早く出社し、準備しているスタッフがいる場合、これを把握しながら、放っている場合『黙示』に当たるため労働時間として認識する必要があるのです。終礼後のお喋りしている時間の後にタイムカードを押されると、業務以外の時間が労働時間に含まれてしまいます。

それでは、どうしたらよいでしょうか?

労働時間に関するルール

①タイムカードは原則、朝礼の直前、終礼終了後に押す
②早出・残業を事前申請とし、残業時間を把握する
③勤怠情報の修正ルールを定める
(突発的な残業の申請、雑談時間等の補正)

上記のようなルールを設定します。合わせて1日の業務の流れを整理し、どのように役割分担をすれば無理・無駄・ムラなく進められるかを周知することも、『時間の意識を高める』ために効果的です。

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著者紹介

コンサルティング事業部
チーフコンサルタント
岩田 義明

チーフコンサルタント・
中小企業診断士
村上貴洋

コンサルティング事業部
鈴木 初弥

フリーランス歯科衛生士
佐藤厚子

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