歯科ワンポイント
高すぎる院長依存度はリスクです
チーフコンサルタント・中小企業診断士 村上貴洋
歯科医院の診療実績にはその医院の診療面の特徴が表れます。とある歯科医院では自費も多く収益は高い水準なのですが、ドクター別の実績内容を見ると極端に院長への依存度が高い内容でした。収益の約7割が院長に集中しており、アポイント帳を確認すると院長の枠は隙間がない一方、勤務医がスケーリングを行いDH枠には余裕がある状態でした。
院長にヒアリングすると、「分かってはいるけど、なかなか他に振れない」とのこと。しかし、振れないからこそ院長に負荷が集中して診療以外のことが手薄になってしまいます。例えば勤務医やDHの育成、連携した診療体制作りといったマネジメント面に手が回らず、結果としてメンテナンス患者が少なくレセプト枚数の積み上げが進まない状況が起きているのです。
どのようなビジネスでも言えることですが、事業継続の観点から見れば特定のものへの依存度が高いことはリスクとなります。短期的には勤務医やDHの生産性が低く人件費率が高くなりがちですし、経験を積みたいと志向する人間ほど退職してしまう組織になります。また長期的には医院業績が院長個人との紐付きが強い分、リタイア時の医院売却やご子息への事業承継にも影響が出ます。
院長の依存度を下げる取り組みは意識しないとできません。時間もかかります。特に売却や承継を念頭に置かれている場合は早いうちから計画的に取り組んでいきましょう。
歯科医院経営 労務のお話
パワーハラスメントの定義、ご存じですか?
コンサルティング事業部チーフコンサルタント 岩田 義明
「通称」パワハラ防止法が大企業には今年6月1日からすでに施行され、中小企業には2022年4月1日から施行されます。まだ先の話と考えられているかもしれません。ただ、先手を打って対策を始めることで、リスクマネジメントの側面だけでなく、院長がそこにも目を向けているということで、スタッフが安心して働けようになり、クリニックの組織力も高めることもできます。
今回は、パワハラの定義と具体的な行動例をお伝えします。
パワハラの3つの要件と6つの類型
パワハラ指針ではパワハラの定義として3要件を示すとともに、典型的なパワハラと呼べる6つの類型を紹介しています。
《3つの要件をすべて満たすものがパワハラ》 | 《6つの類型と具体例》 |
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①優先的な関係を背景とした言動(抵抗・拒絶できない関係。上司→部下だけでなく、同僚間、部下→上司もあり得ます。) ②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの(言動が明らかに業務の範囲を超えている) ③労働者の就業環境が害されるもの(意欲が低下したり業務に専念できなくなったりしている) |
①身体的な攻撃:殴る蹴る、物を投げつけるなど ②精神的な攻撃:人格を否定する暴言を吐く、プライドを傷つけるなど ③人間関係からの切り離し:別室に隔離する、集団で無視するなど ④過大な要求:過大なノルマ、私的な雑用を強要、終業間際に大量の業務を課すなど ⑤過小な要求:役職名に見合わない低い業務を課す、嫌がらせで仕事を与えないなど ⑥個への侵害:個人情報を他の労働者へ暴露する、プライベートのことを必要以上に聞くなど |
※これに該当しない場合でもパワハラだと認められるケースがある点には注意が必要です。どのような言動がハラスメントに当たるのかは、厚生労働省のハラスメント対策サイト「あかるい職場の応援団」内で設問に答えてチェックしてみてもよいと思います。
URL: https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/worry/check
歯科衛生士コラム
「機嫌がよいとき、悪いとき」
フリーランス歯科衛生士 佐藤厚子
誰にでもプライベートな時間があります。しかし、診療中はプライベートと仕事をきっぱり分けていただきたいです。ある院長は、ご自宅でご家庭ともめ事があると、すぐに診療室の空気が重くなり、スタッフはとても気を使います。
悩みのない人はいません。みんないろいろと抱えているのは同じだと思います。長く一緒の時間を過ごしているスタッフは、先生の様子の変化に敏感です。診療室では、穏やかに患者さんに安心してもらえる空間でありたいと思います。
少しやんわりとした感じに直していただくだけで構いません。
よろしくお願い致します。
私達、今日も気を使っております…
若手挑戦企画
新宿レポート「これからどうする?交流の場!」
コンサルティング事業部 鈴木 初弥
コロナ感染が騒がれてから早7ケ月、めっきり飲み会の数が減り我慢も限界の鈴木ことすずでございます。皆様はこの約7ケ月間、社内での懇親会や外部との交流をいかがされていましたか?スタッフ同士の交流の場や外部との繋がりの場を設けることはできておりますでしょうか?
初めのころはZOOM飲み会が流行りましたね…。私も実際にZOOM飲み会に参加しましたが相手の感情が読み取りづらかったり、タイムラグの発生、話し手と聞き手が固定されがちなどもあり限界を感じました。やはり、直接会うことが互いの距離を縮め親睦を深める点で一番の近道だと思います。皆様も同じように感じられたのではないでしょうか。
いまだに終わりの見えないwithコロナだが、そろそろ直接集まって医院の親睦を深めたい。しかし、家族もいるし自宅には呼びたくはない。または、外部の方でプライベートな話をしたいと思われている方も多いと思います。そこで「レンタルスペースの活用」を提案させて頂きます!不特定多数の人が出入りするわけではないので感染予防にもなりますのでおすすめです。